お正月に七草粥を食べると、素朴な味にほっとしませんか。
最近ではスーパーなどで「七草セット」が売っているのでとても簡単に作れるようになりましたね。
ところで、七草粥や七草についてどれくらい知っていますか?
毎年行われる行事ですが、詳しい内容となると案外覚えていないものです。
今回はそんなお正月には欠かせない、
・七草の種類(名前や効能)と込められた意味
・七草粥とは?(意味・由来)や
・いつ食べる?(食べる日にち・時間帯)
についてまとめてみました。
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七草粥とは?由来や意味について
七草粥の由来の始まり・・・それは、古来中国より行われていた風習でした。その風習とは次のようになります。
古来中国では、正月の1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていた。そして、7日目を人の日(人日)とし、犯罪者に対する刑罰は行わないことにしていた。
引用:”人日”ウィキペディア
お正月の元日から6日間までをそれぞれの動物の日とし、7日を人の日としていたのですね。
さらに、それぞれの日にはその動物の吉凶について占いをしていたそうで、7日の人の日にも同じように人について占っていました。
そしてその日に7種類の野菜が入った吸い物を食べ、無病息災や立身出世を願ったということです。
さて、このような風習が日本に伝わった時代、それは平安時代といわれています。
その時代では、中国のような7種類の野菜ではなく、7種類の穀物を使ってお粥を作っていたそうです。
そしてまた、日本にも古くからある風習がありました。それは、「若菜摘み」という風習です。
古代より日本では、年初に雪の間から芽を出した草を摘む「若菜摘み」という風習があり、これが七草の原点とされる。
引用”七草”ウィキペディア
この風習があったことにより、鎌倉時代になると春の七草を入れた七草粥が食べられるようになったということです。
そしてこの七草粥を食べることが一般的になったのは江戸時代からといわれています。
由来を分かりやすくまとめると、
①古来中国より伝わった(7日の『人の日』に7種の野菜が入った汁物を食べる)風習が⇒
②平安時代で(7種類の穀物が入ったお粥を食べる)風習に変わり⇒
③もともと日本に古くからあった(若菜摘み)の風習と結びついて⇒
④鎌倉時代に七草粥を食べる風習へと進化する。⇒
⑤江戸時代で一般的になった。
この流れで1月7日に七草粥が食べられるようになったのですね。
また、七草粥を食べる一つの理由として、お正月のぜいたくな食事で疲れた胃腸を休めるという意味もあります。
胃腸のことをいたわる、とても身体に優しい行事でもあるのです。
七草粥はいつ食べる?2020年は?
七草粥を食べる日にちは、毎年1月7日になります。
これは、上記の七草粥の由来で説明したように、古代中国では『人日』の日の1月7日に7種類の野菜が入った吸い物を食べていた事が関係しています。
なので、2020年も七草粥は1月7日に食べるといいでしょう。
七草粥を食べる時間帯について
七草粥を食べる時間帯について、疑問を持ったことがある人も多いのではないでしょうか?
伝統的な方法としては、6日の夜に、用意しておいた七草を包丁の背中で叩いて細かくしておく。
そして7日の朝におかゆを作り七草と塩を入れて食べるのだそうです。
七草を叩いて細かくするときには次のように歌を歌いながらするそうです。
七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン
引用:”七草がゆ”ウィキペディア
これが、七草粥の伝統的な作り方、食べ方なんですね。
昔はこのように歌いながら作っていたなんて、風情がありますよね^^
現在でも、おばあちゃんが歌って作ってくれるご家庭もあるようですが、今では貴重な風習といえそうです。
七草の種類とその意味について
古来中国での風習は、7種類の野菜を食べて無病息災は立身出世を願う風習でしたね。
そのため、寒い季節に育つ野菜は生命力が強いと信じられています。
そんな野草のパワーを頂いて、1年を元気に過ごそうというわけです。
また、春の七草にはそれぞれに込められた意味があります。
下の表に七草の名前、込められた意味、効能をまとめてみたしたのでどうぞ参考になさって下さい。
春の七草
名称 |
込められた意味 |
効能 |
|
芹 | せり | 競り勝つ | 解熱、食欲増進、リウマチ、貧血症などに良い |
薺 | なずな | なでて汚れを除く | 胃腸を整える、目にも良い |
御形 | ごぎょう | 仏のからだ | 咳止め、痰を切る、利尿作用などに良い |
繁縷 | はこべら | 繁栄がはびこる | 切り傷、歯槽膿漏、痛み止に良い |
仏の座 | ほとけのざ | 仏の安座 | アトピーの改善に良い |
菘 | すずな | 神を呼ぶ鈴 | 利尿、便秘、鎮静作用などに良い |
蘿蔔 | すずしろ | 汚れのない清白 | 消化促進、風邪の特効薬といわれている |
春の七草はからだに良い作用がたくさんある野草なのですね!
食べないと損しちゃいそうです♪
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七草粥の作り方はコチラ
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⇒お雑煮の地域による特徴の違いと、具の意味や由来について紹介します
以上で今回の七草粥についての記事は終わりになります。
ぜひ、今年1年間のご家族やご自身の健康・発展を願いながら、楽しんで作ってみてくださいね。
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<参考文献> 三浦康子(2014) 『子どもに伝えたい春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』 永岡書店. |