子供達に人気のある、有名な端午の節句の歌といえば、
「屋根よりたかい~」から始まる童謡『こいのぼり』ですよね。
そこで今回は、童謡『こいのぼり』の歌を動画でご紹介!歌詞もひらがなで載せています。
また、歌詞の意味や、2番と3番の歌詞もご紹介します。
さらに、意外と多くの人が知っている人気の『鯉のぼり』の歌もご紹介!
「いらかの波と~」から始まる『鯉のぼり』や
「おひさまのぼる~」から始まる『鯉のぼり』など、
色んな『鯉のぼり』の歌と歌詞もたくさんご紹介します!
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目次
端午の節句の歌「こいのぼり」とはどんな童謡?【動画付き】
有名な鯉のぼりの歌といえば、「屋根より高い鯉のぼり~」で始まる童謡『こいのぼり』ですよね。
5月5日の端午の節句が近くなると、今でも幼稚園や小学校で歌う曲として有名です。
そんな童謡『こいのぼり』ですが、初めて掲載されたのは、
1931年(昭和6年)12月に刊行された幼稚園向きの唱歌集『エホンショウカ ハルノマキ』だったそうです。
当時のタイトルはなんと「コヒノボリ」だったとか。
全てカタカナで表記されていたそうですよ。
童謡『こいのぼり』は、学校の教科書では主に1年生や2年生の教材として多く取り上げられています。
童謡『こいのぼり』の作詞・作曲者は誰?
『こいのぼり』の作詞者は、『チューリップ』の作詞者でもある近藤宮子さん。
作曲者は不詳となっていますが、いくつかの楽譜には小出浩平と記されているそうです。(※ただし、近頃は無名著作物扱いとなっています。)
それでは、童謡・唱歌『こいのぼり』の動画をご覧下さい♪
童謡『こいのぼり』の動画はコチラ!
動画引用:キッズボンボン TV
メロディーがゆっくりで歌詞もわかりやすいので、子供でも楽しく歌いやすい曲となっていますね^^
さすが、親子で長く歌い継いでほしい童謡・唱歌として「日本の歌百選(2007年)」にも選ばれているだけあります!
童謡「こいのぼり」の歌詞の意味
こちらが、童謡・唱歌『こいのぼり』の歌詞になります。
童謡『こいのぼり』の歌詞
(作詞 近藤宮子:作曲 不詳)
やねより たかい こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
「やねより たかい こいのぼり」からは、屋根よりも高い位置に飾られている鯉のぼりに、喜び・感心している様子が感じ取れますね。
また、鯉のぼりを擬人化させているのが特徴的で、
鯉のぼりを家族に見立てたり、空の海を泳いでいるといった、楽しい歌詞としてまとめられています。
ところで、『こいのぼり』の歌詞を見てみると、「お母さん」だけいない事に気付きましたか?
家族に見立てているなら、「子供」と「お父さん」だけなのはちょっと不自然です。
『こいのぼり』の歌詞に「おかあさん」が出てこない理由は、
この曲が作られた当時(1931年頃)は、現在に比べて男性が女性よりも優れているとされている時代だった事と、
さらに、端午の節句は男の子を祝う行事だからという理由が関係しているようです。
可愛らしい『こいのぼり』の歌の歌詞に、このような日本の時代背景が描かれていたとは驚きですね!
童謡「こいのぼり」の2番と3番の歌詞は?
なんと、童謡『こいのぼり』には2番と3番が存在していました!
その歌詞がコチラになります。
童謡『こいのぼり』2番・3番の歌詞
2)みどりの 風に さそわれて
ひらひら はためく ふきながし
くるくる まわる かざぐるま
おもしろそうに およいでる
3)5がつの かぜに こいのぼり
めだまを ピカピカ ひからせて
おびれを くるくる おどらせて
あかるい そらを およいでる
調べてみると、童謡『こいのぼり』の作詞者である近藤宮子さんは、1番までしか歌詞を出していないようです。
そして、2番と3番の作詞者は不明ということでした。
作者が不明だとなんだか幻の歌詞のように感じますが、長年歌い継がれている『こいのぼり』に、誰かが2番と3番を付け加えたのでしょう。
さらに、2番の歌詞はもう一つあります。
先ほどの2番はお母さんが登場しない歌詞でしたが、これからご紹介する2番の歌詞にはお母さんが登場します。
お母さんが登場する2番の歌詞
やねより たかい こいのぼり
おおきい ひごいは おかあさん
ちいさい まごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
こちらの歌詞は、昭和57年に音楽之友社が発行した教科書『しょうがくせいのおんがく1』にカッコ付きで掲載されていたそうです。(こちらも作詞者不明)
個人的には、お母さんが入ることによってより家族らしさが出ているコチラの2番の歌詞の方が好きなのですが、
1番の歌詞では「ひごい」は「こどもたち」となっているため、1番と2番を続けて歌うと少しこんがらがうかな、とも思いました(^_^;)
「こいのぼり」と「鯉のぼり」は違う歌だった!
実は、童謡『こいのぼり』の他にも、『鯉のぼり』という題名の歌があります。
筆者は最初、ただひらがなを漢字に変換しただけの同じ曲だと思っていたのですが、そうではありませんでした(^_^;)
こちらの動画では、童謡『こいのぼり』と、『鯉のぼり』が2曲収録されており、合計3曲聞く事ができます。
動画引用:KAZEKOZOU69
「いらかのなみ」から始まる唱歌『鯉のぼり』の歌詞の意味
上記の3分33秒~始まる動画の『鯉のぼり』は、文部省唱歌として歌われてきた曲で、
1913年(大正2年)の「尋常小学唱歌 第五学年用」で初めて出版されています。
童謡『こいのぼり』より18年前に誕生した曲で、作詞者は不明、作曲者は弘田龍太郎となっています。
文部省唱歌『鯉のぼり』の歌詞
(作詞 不明:作曲 弘田龍太郎)
甍の波と 雲の波
重なる波の 中空を
橘かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
開ける広き 其の口に
船をも呑まん 様見えて
ゆたかに振う 尾鰭には
物に動ぜぬ姿あり
百瀬の滝を 登りなば
忽ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子と
空に躍るや 鯉のぼり
「あれ、何だか聞いたことがある」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね!
太平洋戦争が始まると一時的に教科書から外され、戦後に再度復活して多くの教科書で採用されているそうです。
文部省唱歌『鯉のぼり』の歌詞の意味!いらかとは?
甍(いらか)とは鱗(いろこ・うろこ)から来た語で、瓦屋根のことです。
瓦屋根の画像
確かに瓦屋根が波の形に見えますね!
鯉のぼりは五月晴れの青い空を「川」に見立てて泳がせるため、瓦屋根と白い雲で重なる波を表現し、鯉のぼりが悠々と泳いでいる様を歌っているのではないでしょうか。
「百瀬の滝を登りなば」は、中国の有名な伝説『登竜門』から来ています。
鯉が滝の急流を登ると竜になるという言い伝えにあやかり、
男の子が「どんな困難にもめげず、立派な人間に成長するように」という立身出世の願いが歌詞に込められているそうです。
最近はこちらの『鯉のぼり』よりも、話し言葉に近い「屋根より高い、鯉のぼり~」で始まる『こいのぼり』の方が馴染みやすいため有名となりましたね。
「おひさまのぼる」から始まる唱歌『鯉のぼり』の歌詞
次に、上記にある動画でご紹介している、スタートしてすぐに始まる『鯉のぼり』の歌詞をご紹介します。
こちらは先ほどの文部省唱歌『鯉のぼり』が太平洋戦争期だった頃、「初等科音楽(三年生用)」に採用していた唱歌です。
作詞は不明で、作曲者は井上武士となっています。
小学校初等科音楽 (三年生用)『鯉のぼり』の歌詞
(作詞 不明:作曲 井上武士)
1)お日さまのぼる もえたつみどり
まごいがおよぐ ひごいがおよぐ
2)のぼりを立てて みんながいわう
よい子になあれ おおきくなあれ
3)のぼりを立てて おとこの子ども
おおきくなって にっぽんだんじ
3番の歌詞は、当時戦争中だったため子供達を励まし愛国心を養うような内容だったそうです。
(webサイト『池田小百合なっとく童謡・唱歌』参照)
確かに、「おおきくなって にっぽんだんじ」という歌詞からそのような思いが感じられますね。
戦後は文部省により3番だけ省かれて、平和的な印象の歌となっています。
筆者はこちらの歌と歌詞もなんとなく覚えていました^^
どうやら、しっかりと記憶の片隅に残っていたようです。
あまり知られていない有名な作詞・作曲者が手がけた鯉のぼりの歌をご紹介
調べてみると、鯉のぼりの歌は結構たくさんありましたので簡単にご紹介します。
『鯉幟』(東くめ 作詞 滝廉太郎 作曲)
1901年(明治34年)に「幼稚園唱歌」の1曲として記載されています。(ピアノ伴奏による独唱)
『鯉幟』の歌詞
大きな黒い 親鯉に
小さな赤い 鯉の子が
いくつもついて 昇って行く
海の様な 大空に
『鯉幟』の動画はコチラ!
引用:Taki Rentaro
「こいのぼり」(葛原滋 作詞 小松耕輔 作曲)
1928年(昭和3年)に刊行された「幼児の教育」に記載されています。(スキップのリズムでやや軍歌調)
「こいのぼり」(サトウハチロー 作詞 下總皖一 作曲)
出版年が不明の作品。「つばめがそばから こんにちは 」など、可愛らしい歌詞と歌いやすいメロディー。
「鯉のぼり」(林柳波 作詞 本居長世 作曲)
「くるくるくるくる」「さわさわさわさわ」といったオノマトペの使用や、言葉のリフレインが特徴的な作品。
端午の節句に鯉のぼりを飾るようになったのは江戸時代からと言われていますが、
今日までに色んな方が鯉のぼりの曲を作られたのですね!
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以上、端午の節句の歌と歌詞の意味と、童謡「こいのぼり」を動画付きでご紹介しました!
ありがとうございました!
参考文献:『歌い継ぎたい日本の歌 “ 鯉のぼり ”』宮田知絵 著(PDF)、2017年. |
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